湿原で 見まごうことのなき姿
鮮やかなまでの青紫の小袖は、
ひと夏の若さの象徴だ
咲きます 次々に
歌います 短い山岳の真夏を
あなたに忘れないでほしいから
東北地方最高峰、福島の燧ヶ岳(2356m)
そろそろ頂上を越えようか、
by 谷山稜
ミツバオウレン
森の中に愛らしく光る白い花
近づいて見ると黄緑色の???がいっぱい
精巧なガラス細工か、
あるいはリャードロの磁器のよう
白い花びらのように見えるのはガク
黄色い舌のようなのが花びら
そして?マークはめしべ
飛び散りそうなおしべ
よくぞここまで、と思うほど凝ってますね
お洒落な個性派少女
キンポウゲ科
葉は三枚、オウレンは黄蓮
亜高山帯の、ちょっと湿った林間に群生します
イワカガミやゴゼンタチバナと仲良し
by 谷山稜
2015年7月22日
岩手県北部太平洋沿岸の、久慈市と洋野町を順に訪ね、きぼうの桜計画をご説明いたしました。
各市町村とも今回が初めての訪問で、まずは構想を詳しくお話しし、植樹受け入れについて検討していただくことになりました。
久慈市は皆さんご存じ「あまちゃん」の舞台ですが、市役所の中も三陸鉄道の駅舎の中もあまちゃん関係のポスターなどでいっぱいです。
ドラマのロケの中心地、袖ヶ浜海岸は、街中から少し離れたところにあり、震災後に建て直された海女センターでは、夏の間、海女さんのウニ取り実演を見ることができます。運が良ければ、若いあまちゃんがウニを割って差し出してくれるかもしれませんよ。
洋野町は、岩手県沿岸最北端の町ですが、12メートルの防潮堤があったこと、防潮堤が無い地区の住民は速やかに避難したこと、そして住民の避難訓練が日頃から効果的に行われていたことなどから、東日本大震災で死者・行方不明者・負傷者がゼロだったことは有名です(住居の損壊など、被害はありました)。
これらの地域に きぼうの桜が植えられるかどうかは今後の検討次第ですが、巨大な宇宙桜が未来の安全を支えつつ、新しい観光資源になってくれれば嬉しいです。
真夏の森に雪女
仄暗い樹床に、
その衣裳はみずみずしい光彩を放つ
この世のものではない
と、思うと手に入れたくなる
そうして うつむいたお顔を
ひと目拝もう などという不埒な考えをおこすと
恐ろしや!
ギンリョウソウ
葉緑体のない腐生植物
夏の亜高山帯の樹林に現れる幻なのかもしれない
ユキオンナ科でないことは確かだ
こんな風に写真にすると怖いが、失礼失礼!
実際は とても小さくて愛らしい森の妖精なのだ。
by 谷山稜
稚児の風車(チングルマ)を見ていただいたあとは
大人の風車といきましょう
どこの山でも
頂上を目指す道は、登り一辺倒ではなく
時折ほんのちょっとの下りや巻きを織り交ぜて
うまく変化がつけられている
稜線近くの亜高山帯で巻き道に出くわしたら
きっとキヌガサソウが待っている
ちょっと湿った涼しい南斜面の樹下
7センチはあろうかという巨大な花
園芸植物を思わせる、惜しげない姿
花びらに見えるのは、実はがく
本来の花びらは、白い紐状のもの
中心のめしべはパイナップルのよう
巨大でユーモラスな花
これでもユリの仲間
それにしても、
キヌガサソウとは分かりやすい名だ
by 谷山稜
あぁなんとあでやかな
香り立つイイオンナ
紫の艶麗草
この人には
もう一生会えないかも
ヒダカエンレイソウ
エンレイソウとシロバナエンレイソウの雑種と言われ、ごく稀に現れる
種がつかないので一代限り。
撮ったときは普通のエンレイソウかと思って、あとで拡大してみてビックリ
今思えば、一期一会だったのかも。
by 谷山稜
ひそやかに
秘めやかに
光の粒を頂いて
口数少なきその娘
マイヅルソウと
呼ばれたり
マイヅルソウ
ゴゼンタチバナといつもセット
樹下の目立たぬ小さな花も
近づいて見てあげると
本当の美しさを惜しげなく晒してくれる
元気だったかい?
by 谷山稜
不思議な名前のこの花は
姿なき山の稚児たちの風車
山わらし 山わろ とも言う
ちいさな精霊たちが、
飛び回っているかも知れない 山の草原
はろばろと 空に向き合う 風車
回れ回れ 稚児車
チングルマ バラ科
登り着いた草原を埋め尽くすその様は、高山植物のナンバーワン
私の大好きな花
花も可愛いが、種になると毛が伸びて風車のようになる
by 谷山稜
シランは後ろ姿の花
梅雨の前に咲き誇り
梅雨明けを待たずに消えている
こんなに鮮やかだったのに
夏が来れば 誰もが忘れてしまう
もういちど
振り向いておくれ
清らかな、うなじよ
by 谷山稜
2015年7月14日
岩手県中部太平洋沿岸の、大槌町、山田町、および宮古市を順に訪ね、
きぼうの桜計画をご説明いたしました。
各市町村とも今回が初めての訪問ですので、
まずは構想を詳しくお話しし、植樹受け入れについて検討していただくことになりました。
どの地域も、現在、嵩上げ工事がたけなわで、多量の土砂がダンプカーで運ばれてきています。3年ほどかけて10メートルほど地盤を上げながら、新しい町が創られていくのです。
宇宙桜はどの町に、どのような場所に植えられるのでしょうか。
新しい町の完成形が、楽しみですね。
このあたりの海岸線は美しい地形が多く、写真は浄土浜というところですが、海猫の天国になっています。
鳴き交わす海猫の声を聞いていると、他の惑星に降り立ったかのような、そんな気持ちになれますよ。
ぜひ皆さん、岩手県を訪れてみてください。
宇宙的視点から、この星の、いのちの美しさを体感しつつ、ひとつの星で共生するという新しい価値観に基づいた文化交流で、世界を一つに繋いでゆきます。