気仙沼・大島中学校生徒たちの苗元・高知県仁淀川町訪問が高知新聞に掲載されました(2019年8月18日)
気仙沼大島の中学生、震災を高知県に伝える
2019年8月、気仙沼市立大島中学校の生徒たちが高知県仁淀川町にやってきました。
きぼうの桜サミットでも大活躍している、気仙沼市立大島中学校の生徒代表(吉野桃愛、村上琉斗、水上風花)3名、島で育った「島っ子」です。
大島中学校には、震災直後、2012年春に植えられた「きぼうの桜第1号」があることでも有名で、この宇宙桜を復興に活用している最先端事例なのです。
今回の中学生たちの使命の一つは、なんと「二本目の宇宙ひょうたん桜をもらい受ける交渉」でした。中学生たちは、まず仁淀川町役場に大石弘秋町長を訪ね、二本目の宇宙桜が必要な理由を説明し、快諾されました。
2019年4月7日、大島と本土の間に橋が架かり、遂に「島が島でなくなる日」を迎えました。車で島内に来てくれる人々を迎えるための「ウェルカムターミナル」の緑地デザインを中学生たちが考え、これが宮城県に正式採用されたのです。その緑地のてっぺんにシンボルツリーとして新しい宇宙桜が咲き誇ることになります。御披露目は2020年春になるでしょう。
そして8月6日朝、大島中学生たちの話を聴くために、仁淀川町内の中学生「全員」が集まってくれました。「新しい東北」連携セミナー制度の助成を活用した震災の伝承セミナーです。
遠い地方でも、同じ中学生が地域のために頑張っている事例は、仁淀中学、池川中学の生徒たちの心に深く響いたことでしょう。
大島中学の発表の後に、「島中ソーラン」鳴子踊りが披露されましたが、鳴子踊りの本場高知の中学生たちが受けて立つ形で、新作の「よさこいソーラン」を教えてくれました。
セミナーの後、島と山のこどもたちは、一緒にお弁当を食べ、町内を巡り、BBQをし、新たな交流の礎を築いてくれました。
翌8月7日の朝、島っ子たちは県庁を訪問し、伊藤博明 高知県教育長に今回の訪問内用と成果を報告しました。
中学生でも出来る、ではなく、中学生だからこそ出来ること。そうした舞台をセットアップするのが大人の役割でもありますね。ワンアースはこれからも、次世代の少年少女の力をお借りしながら、震災の復興と伝承をお手伝いしていきます。
きぼうの桜サミット2019レポ(その4)フィナーレ
きぼうの桜サミットのフィナーレは全体合唱と決まっています。今回は、なんとテーマ曲「きぼうの桜」の作曲者しゅうさえこ先生が出演してくださいました。しゅう先生は、14代目NHKうたのおねえさんです。
緞帳が上がると、舞台上には脱力した乙女たちが散らばっている、という衝撃の光景が・・・音楽とともに乙女は祈り、立ち上がり、やがて「ひとつぶの奇跡」を歌い出します。そう、花のいのちが芽吹き、生長する姿を表現していたのです。
男子も加わり「2019きぼうの桜合唱団」完成です。さらに、しゅうさえこ先生のリードで会場全体が「きぼうの桜」を練習し、大合唱しました。
会場に詰めかけた洋野町や各地の中高生たち総勢300名も舞台に上りました。そしてなんと金井宇宙飛行士まで大島中学の大漁旗ハッピを着て登壇してくれました。この状態で「きぼうの桜」を大合唱しました。
歌で会場がひとつになったところで、次回(2020年)サミット開催地の発表です。
次回は2020年、福島県福島市で開催することが宣言されました。福島市長からの挨拶文が読み上げられます。
きぼうの桜サミットも大団円となり、最後に記念撮影を行いました。みんなで花が咲くポーズです。
終演後、興奮醒めやらぬ中高生たちが、金井宇宙飛行士のもとに詰めかけました。
きぼうの桜サミットは17時定刻、無事幕を閉じましたが、各地からの参加者のイベントはまだまだ続きます。(つづく)
きぼうの桜サミット2019レポ(その3)交流祭
7月27日の午後は、いよいよ宇宙飛行士も登場する「交流祭」です。JAXA金井宣茂宇宙飛行士が楽屋でスタンバる中、洋野町長・水上信宏さんが淡々と開催の辞を述べられました。
続いて山崎直子宇宙飛行士&宇宙桜大使犬ソラちゃんのビデオレターを上映し、ワンアースから きぼうの桜計画の説明がありました。その後、きぼうの桜物語り公募の中から「注目作」に選ばれた皆さんの表彰などを行い、一旦休憩に入りました。
午後の交流祭第2幕は「地球星歌」から始まりました。洋野町の大野中学校特設合唱部&グリーンエコーさんがゆったりと歌い上げ、ホールを感動が満たしました。卒業式などの大切な行事の時に歌い継がれているLOVE Earthな歌なのです♪
地球星歌の余韻が静かに消えていくと・・・ライトスタッフのテーマ曲とともに
宇宙飛行士がついに会場に降臨しました! さすが金井さん、意表を突いて二階後方から現れ、どよめく観衆の中をゆっくりとフライバイして舞台に上がりました。
JAXA金井宣茂(かないのりしげ)宇宙飛行士の講演タイトルは「次世代へ、僕が宇宙から伝えたいこと」
講演は、宇宙飛行士特有の稀有な体験の紹介にとどまらず、金井さんらしい温かな口調で仲間の大切さ、国際協力の大切さなどが語られ、詰めかけた観衆の心に深い感銘を残しました。
そして今回のサミットでは、講演のあとのQ&Aは省略し、いきなりパネルディスカッションに突入です。お題は「あした宇宙へ!」 今回参集した各地域代表者13名に各学校代表者13名、そして金井宇宙飛行士がモデレータのような役でセンターに座り、過去にない大人数のトークバトルとなりました。
お題:もしも自分が宇宙飛行士になったら、2021年3月11日に(世界に感謝の気持ちを伝え、そして復興を宣言するために)宇宙ステーションでどんな活動をしますか?
中高生たちは臆することなく金井さんに意見をぶつけていました。「船外に旗を出したい」「船体を桜色に塗りたい」「人工流星でハートを描きたい」「ご当地宇宙食を作りたい」
などなどアイデアは無限に出てきます。
ご当地宇宙食をつくろう、という意見が出たところで自治体代表の大人たちからも手が上がります。
穏やかな笑顔が会場いっぱいに広がったところで、共同宣言です。このコミュニティで、本当に宇宙を目指すという決意が込められています。
いつまでも尽きることのない議論を終息させるには、本当に2021年に宇宙ミッションを企画するしかないようですね!
それにしても青少年のアイデアは素晴らしい、と、金井宇宙飛行士はじめ、誰もが感服したディスカッションでした。
(サミットはフィナーレ大団円へとつづきます)
きぼうの桜サミット2019レポ(その2)文化祭
きぼうの桜サミット本会議は2019年7月27日、岩手県洋野町のセシリア大ホールで開催されました。
午前中(10時から12時)は少年少女による文化祭です。今回は、県外から集まった4地域の中高生が、東日本大震災からの復興、未来の社会、そして宇宙への夢などを発表してくれました。
トップバッターは、宮城県気仙沼市立大島中学校からやって来た17名の生徒たちです。気仙沼市の紹介、自分たちの学校の紹介、そして震災復興と、きぼうの桜の活用などをクイズを交えてテンポ良く発表してくれました。
そして昨年も大人気だった「島中ソーラン」演舞は、今年も観客を魅了してくれました。生徒たちが着ているのは大漁旗。休み時間にも記念撮影に引っ張りだこでした。
そして昨年のサミット開催地・福島県楢葉町から楢葉中学校の3名が参加してくれました。楢葉町では中学生が中心となって会社を作り、特産品の企画開発や東京での販売体験を行うなど、ユニークで効果的な社会教育を進めています。この活動はたいへん有名ですので、みなさん「Nalysゆずスマイル楢葉」の商品を見かけましたら買って応援しましょう! Nalys=ナリーズと読みます。
福島市からは日本宇宙少年団福島分団のサブリーダーで、高校3年生の森田恭平君が堂々たる発表をしてくれました。すでにワンアースのこのホームページでも多くの記事になっていますが、この少年団では、数々の宇宙植物を育てていることで有名です。山崎直子さんゆかりの宇宙アサガオの種を増やして上皇后様や台湾総統に贈呈したり、町のグリーンカーテンを作るなど、華々しい活躍をしています。
文化祭のトリは、宇宙神代桜の苗元・山梨県北杜市から北杜市立甲陵高等学校の生徒さん27名が登場しました。文科省のSSH(Super Science High school)テーマでもある宇宙アサガオの研究や、英語でのスピーチなど、大人顔負けのハイレベルな発表に続き、甲陵と言えば・・・定番の合唱を披露してくれました。
♪花は咲く ♪群青 そして♪ハピネス で会場の熱気はクライマックスに! きぼうの桜の根っこはすべて繋がっている。。。そんな物語りを信じることが出来そうな瞬間でした
少年少女の熱気で、サミット前半の文化祭は大盛況のうちに幕を下ろしました。東日本大震災という未曾有の大災害を乗り越えて、人々の絆は被災地から世界へと、そして次世代へと繋がっていることを確信した幸福な時間だったと言えましょう。
きぼうの桜サミット2019レポ(その1) Young Summit
きぼうの桜サミット2019 in 洋野の本会議は、2019年7月27日に開催されましたが、それに先だち、中高生だけのヤングサミットや、関係者による前夜祭が開かれました。
無限に広がるかのような空と大地。洋野町の大野地区は、まさにイーハトーブなのです。
ここに五〇名を超える中高生が集まってきました。山梨県北杜市立甲陵高等学校、福島県楢葉町立楢葉中学校、宮城県気仙沼市立大島中学校、そして地元・岩手県立大野高等学校のみなさんです。まずは自己紹介から・・・はじめはカチカチ(?)
地元・大野高校の大内田 妃夏(おおうちだ ひな)さんが、洋野町の紹介をしてくれました。大内田さんは2017年3月、この町に きぼうの桜が植えられた時には中学生でしたが、植樹祭や合唱に参加してくれていました。
少し打ち解けたところで きぼうの桜のもとに移動して記念撮影です。この日だけ・・・ハートの柵の中に入らせてもらいました。きぼうの桜(宇宙神代桜)はすでに3m以上の樹高に成長していました。バックに天文台のドームが輝いています。
そして夕暮れが近づき、各地から大人たちも集まってきましたところで、恒例の前夜祭BBQ。岩手は牛も豚も美味しいのですが、なんといっても皆さんが喜んでくれたのは・・・ウニ、うに、雲丹! 「なにこれーーー」なんていう歓声があちこちで上がり、サミットの前夜は更けてゆくのでした。。。つづく
気仙沼の中学生たちが高知県で震災復興のセミナーを開催(2019年8月6日9時・仁淀川町中央公民館)
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【概要】 東日本大震災の記憶と教訓、そして復興に関わる中学生主体のユニークな取り組みを伝えるために、復興庁の「新しい東北」連携セミナー制度を活用し、宮城県気仙沼市立大島中学校の生徒3名が、高知県仁淀川町でセミナーと、よさこい演舞などの交流を行う。仁淀川町内の全中学生が参加する予定。
【背景】 東日本大震災当時、島が二つに分断するほどの大津波を受けた気仙沼大島は、2019年4月9日、本土との間に島民の念願であった橋が架かり、復興の新たなステージを迎えた。
一般財団法人ワンアースは、津波到達点上に長命で巨大化する特殊な桜(宇宙桜・注)を植え、復興と伝承のシンボルとする「きぼうの桜」事業を東北全域で進めているが、気仙沼市立大島中学校には「きぼうの桜第一号」として2012年3月に宇宙ひょうたん桜(苗元・高知県仁淀川町)が植樹され、すでに樹高7mほどに成長している。
大島中学生たちは、きぼうの桜をシンボルとした島の新しい景観デザインを考案し、文化祭や、きぼうの桜サミット(2019年7月・岩手県洋野町)で発表してきた。このデザインは宮城県が整備する島の防潮堤緑地に正式に採用され、明るいニュースとなっている。
本事業では、復興庁の「新しい東北」連携セミナー制度を活用し、中学生自身が、このユニークな取り組みを発表する。今回大島中学生たちは、恩義ある苗元・高知県仁淀川町を訪問し、同町の全面協力のもと、町内中学校の全生徒が参加するセミナーを開催し、郷土芸能競演や町内視察などの交流を行う。さらに、自分たちが提案した島の景観デザインを完成させるために「宇宙ひょうたん桜」の新しい苗を仁淀川町から贈呈してもらうための交渉を行う。
【セミナー概要】
(1)日時 令和元年8月6日(火) 9時から12時
(2)場所 高知県仁淀川町中央公民館
(3)中学生発表者
吉野 桃愛(大島中学校3年 生徒会長)
村上 琉斗(大島中学校3年 生徒会副会長)
水上 風花(大島中学校2年 生徒会副会長)
(4)参加者 仁淀川町三役、同町内の中学生全員(68名)、教職員、住民 計100名程度
長谷川 洋一(一般財団法人ワンアース代表理事)
宮崎 明雄(大島中学校長) 高橋 理絵(大島中教諭 3学年主任)
【主催・お問い合わせ】
一般財団法人ワンアース 代表理事 長谷川洋一
きぼうの桜物語り公募2019注目作品
たくさんの御応募ありがとうございました♪
2019年の注目作品は次の通りです。これら作品以外にも、多くの作品の応募があり、どれも優れた文化財です。従いまして、2020年夏を目処に、応募全作品を、電子出版することにいたします。
青木詩織・・・希望の桜
雨宮隆斗・・・いつかまたあの場所で
伊藤彰一・・・花の島からのメッセージ
北村咲葉・・・きぼうの桜
白倉英奈・・・きぼうの桜より、願いを込めて。
杉野瑠美夏・・・君と、春の匂い
吉田萌・・・道標
きぼうの桜サミット大団円
岩手県洋野町で開催された きぼうの桜サミット2019は7月27日、無事閉幕しました。
参加者は約500名。詳細は順次報告させていただきます。
きぼうの桜サミット開幕!
2019年の きぼうの桜サミットは、岩手県洋野町で開催されています。本会議は7月27日ですが、7月26日にはYoung Summitが行われ、県内外から多くの中高生が集まりました。
Young Summitでは、岩手県立大野高校の大内田妃夏さんが、洋野町の概要と震災復興の詳しい説明をしてくれました。参加した中高生たちは、東日本大震災の津波でひとりの犠牲者も出なかったこの町のあらましや、海と山の牧場を持つ洋野町の魅力に、熱心に聴き入っていました。
山梨県北杜市立甲陵高等学校、宮城県気仙沼市立大島中学校、福島県楢葉町立楢葉中学校、そして地元洋野町の岩手県立大野高校から集まった若者たちは、BBQであっというまに親睦を深め、一体になりました。