<講評> 審査員代表 村田さち子(詩人)
まず、十三才で、このように長い作品を書き上げたという構成力の素晴らしさを評価します。
三月十一日の家族の様子。姉、妹の各々の心情を丁寧に描写し、尚、且つ、ただそのままをドキュメンタリー風に書いているのではなく、姉が死んで一週間だけよみがえるというフィクションも織り交ぜて、生き残った者の生命の美しさ、尊さを見事に語っている、素晴らしい作品でした。
<講評> 谷山稜(ワンアース専属アーティスト)
この作品に出会うために、
この公募があったのかもしれない。
子どもから大人へと成長していく多感な時期
作者の心の中で、あの震災の記憶は
決して置き去りにはできない。
文章は未完成で、つたない表現だが、
13歳の魂の慟哭が、混沌たる世の中に対する心の絶叫が、
小手先のテクニックで生きる大人たちの胸に突き刺さる
黒い波に呑まれた清らかな真実を知り
それを志にかえて強く生き抜く少女の物語は、
千年たっても色あせることはないだろう