山上の孤高の桜は、
頭上の天空に何を祈り、
眼下の衆生の営みに何を語るか
醍醐桜(岡山県真庭市)
樹齢1000年以上と伝えられる西日本の大桜
登りつめた山巓に、山ひとつ分の根を張りめぐらせて立つ姿は、
さながら天上界と地上を繋ぐランドマーク
この桜を愛でたまいしは、醍醐ではなく後醍醐天皇
元弘2年(西暦1332年)、後醍醐天皇が隠岐に流される途上、この地にさしかかり、帝はこの桜をご覧になって、たいそう誉めたまいし、という伝説から醍醐桜と称されるようになったという。
2008年、この桜の種も宇宙へ旅をした。
地上に戻った種から10本ほどの宇宙桜が生まれ、すでに立派な若木に育っている。
宇宙桜を「きぼうの桜」として復興各地へ贈るため、地元ではすでに採り木による株分け作業に取り組んでいる。
伝説は誰かが語り始めなければ存在しない。
天空の桜の子孫たちは、
どのような物語とともにこの地を旅立つのだろうか。。。