日本櫻学会で発表しました

2016年6月11日 玉川大学(東京)で行われた
日本櫻学会研究発表会にて、きぼうの桜計画の内容と進捗について報告いたしました。

報告要旨は以下の通りです。

表題:東北復興のための宇宙桜植樹事業について
著者:長谷川 洋一(一般財団法人ワンアース)、富田−横谷 香織(筑波大学生命環境系)
内容:
 2008から2009年にかけて259日間宇宙飛行した各地の名桜の種は、各地で2010年ごろ発芽し、うち幾つかは開花するまでに成長した。
 一般財団法人ワンアースでは、この宇宙桜の子孫を大震災の復興地等に贈る「きぼうの桜」計画を進めている。津波到達点上に長寿で巨大化が期待出来る宇宙桜を植えれば、復興のシンボルになり、次の大津波が来た際の避難の目印となる。また、稀少な宇宙桜は観光資源としても復興に貢献できるだろう。
 ワンアースでは、東北沿岸30市町村(及び苗提供元9市町村)と協議してきたが、すでに13の市町村で提案が採択され、植樹計画が具体化してきた。同時に、広域景観創生と地域連携方策を検討しており、参加各地の住民レベルの交流や、宇宙桜2世の種や苗の交換による発展形を目指している。
 今後は、宇宙桜という数奇な生命体にまつわる物語を市民参加で創造し後世に残す、文化活動を興したい。震災の記憶の風化は避け得ぬが、宇宙桜は物語とともに千年にわたり、震災の教訓を語ってくれるであろう。
 また、将来的には、熊本等次の復興地にもきぼうの桜をリレーするなど、この緑化資源を地域から発信する方法についても検討していきたい。